こんにちは!コタローです。
(@kotaro_kaigo_v)
サービス付き高齢者向け住宅(以下:サ高住)をご存知でしょうか?
「サービス付き」がついている点では有料老人ホームと似ていますが、「高齢者の方が安心してお過ごしになれる住宅」という点に重きを置いている建物になり、サ高住(さこうじゅう)やサ付き(さつき)住宅などと呼ばれることもあります。
よく比較される有料老人ホームと違うところは、「介護施設ではない」ということです。
基本的な考え方として賃貸住宅であるため、介護や食事サービスはオプションになります。
また、外出などに関しても制限はなく、普通の住宅としてご高齢の方でも自由な生活を送ることができる住宅になります。
では、このサ高住ではどのような特徴があり、サービスを受けることができるのでしょうか?
今回は、サ高住についてお話をさせていただきます。
サービス付き高齢者向け住宅とは?
国土交通省と厚生労働省の所管のもと、平成23年(2011年)の高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)が改正されたことにより創設された登録制度の住宅になります。※登録・指導・監督は、都道府県、政令市、中核市により行われる
「住居の居室や設備の確保、バリアフリー構造」がなされており、高齢者の方が安心して暮らしていける住まいです。
以前は、「高齢者優良賃貸住宅」、「高齢者円滑入居賃貸住宅」、「高齢者専用賃貸住宅」がありましたが、高齢者住まい法の改正に伴いサ高住に統一されました。
2030年までに60万戸の供給をすることを目標とし、建設に関わる費用に補助金や税制優遇措置などを受けられることから建設ラッシュが続いており、2021年3月10日現在の登録住宅は「総登録件数 7,889 総登録戸数 267,071」となっています。※サービス付き高齢者向け住宅情報提供システムより(2021年3月10日現在)
入居要件は?
60歳以上の単身もしくは夫婦世帯であり、自立から比較的介護度が軽度であることが要件。
入居するサ高住にもよりますが、重度な認知症を抱えている方や介護度が重く医療依存度が高い方は入居がむずかしい場合もありますので、問い合わせをし確認しましょう。
入居の際は、連帯保証人や身元引受人が必要なケースが多いです。
2011年から、すごい勢いで建設が進んでいましたね。民間企業や医療法人の参入も多いです。私が勤めていたサ高住は、住宅メーカーや飲食系が運営をしていました。
特徴とサービス内容は?
名称に「サービス付き」とありますが、どのような特徴がありサービスが受けられるのでしょうか?
特徴
- 介護施設ではなく、あくまで賃貸住宅
- 介護サービスや食事は自身で選択ができる
- 自由度が高く、自分のペースで生活できる
- 契約は賃貸借契約方式が主である
- 介護状態は軽度の方が多い
基本的には賃貸住宅であるため、外出や外泊などに申請は必要なく自由に行動をすることができます。
また、大きな特徴としてサ高住の契約方式は、「賃貸借契約」となっており、長期間の入院生活になってしまった場合などでも賃料さえ払い続けていれば、事業者から一方的に退去を迫られることはなく、居住の安定が図られている契約となっています。
自立の状態でサ高住に入居された方も「年齢を重ね介護が必要になった場合」でも、住まいを変えることなく、外部の介護サービスを受け生活をしていくことが可能です。
サービス内容
- 安否確認
- 生活相談
「安否確認」・「生活相談」は必ず受けられるサービスであるのに対し、介護サービスを受けたい場合は外部事業者と契約を行うことになります。
安否確認・生活相談サービスは、ケアの専門家が行うことになっており、「現在は介護は必要ないが、今後必要になった場合」や「体調不良になってしまった場合」などの時には援助を受けることができます。
ここでいう「ケアの専門家」とは社会福祉法人や医療法人、指定居宅サービス事業所などの職員、医師、看護師、社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員、さらに介護職員初任者研修過程の修了者などが該当します。
また、サ高住の中でも「介護サービスが付いている介護型」もありますが、数自体は多くありません。
「サービス付き」とは、安否確認や生活相談のことを指します。
設備はどうなの?
- 居室は個室であり、床面積が25㎠
- 居室には、キッチン・浴室・トイレ・洗面所・収納スペースが完備
- 居室内や共有部分はバリアフリー構造
- 家賃、敷金、援助にかかる費用以外の金銭徴収はない
- 緊急通報装置が備えられている
賃貸住宅であるため居室は、個室になっており鍵もかけることができます。床面積が原則25㎠となっておりますが、共有スペースに食堂や浴室などの整備がされている場合は、18㎠以上となる場合があります。
また、建物自体がバリアフリー構造となっており、段差の解消や廊下、浴室・トイレなどにも手すりの設置が施されており転倒予防や筋力の低下などによる歩行の不安などにも対応しております。
夜間やお一人でお過ごしのときに体調不良や転倒などをしてしまった場合には、緊急通報装置が設置されており安全に対する配慮もされています。
サ高住のメリット・デメリット
お体の状態や費用面での条件が合致すれば、サ高住は「安心した住まい」となり得ます。しかし、メリットだけでなく、デメリットもあります。
メリット
- 外出や旅行などでの外泊も自由に行える
- 賃貸住宅であるため、一方的な退去を迫られない
- 食事や介護サービスなどが必要な場合は自身で選択できる
- 住まい全体がバリアフリー構造になっており生活しやすい環境
デメリット
- 職員が24時間常駐していないことがある
- 介護サービスの利用時は、外部の事業者との契約が必要になる
- 認知症が重度になった、医療依存度が高くなった場合は退去の可能性がある
- レクリエーションや季節のイベント等は少なく他者との交流の機会は少なめ
費用はどのくらいかかる?
サ高住でかかる費用の内訳は、「家賃、管理費、共益費、水道光熱費」があり、食事や介護サービスを希望される方はその料金がプラスされます。
住宅の立地や運営会社により、家賃や管理費などは変わりますが、おおむね一月の費用は「15万円〜20万円ほど」がかかってきます(家賃、管理費、共益費、食事や介護サービスも含めています)。
また、賃貸住宅であるため、退去後の現状回復費用や家賃滞納の充当を考慮し、入居の際には敷金が発生する住宅が多く、およそ家賃の2〜3ヶ月分が必要になります。
まとめ
サ高住では、老人ホーム等と比べ自由度が高く、ご自身でどのような援助を受けるかの選択ができる住宅になります。
外出や外泊などもご本人の意思で行うことができます。また、食事は自分で作ることもできますし、介護サービスを受けるといった選択ができるため、「自宅で暮らしている」感覚で入居をすることができます。
高齢となったとき、住まいの選択は重要な決断です。ご自身のお体の状態や生活環境も含めて選択肢のひとつとしてサ高住を検討してみることも有効だと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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