こんにちは!コタローです。
(@kotaro_kaigo_v)
「介護医療院」という施設をお聞きになったことはありますか?
「介護医療院」は、介護保険施設の中でも特に医療の必要な長期療養と日常的なお世話が必要な方が入所をされる施設になります。
在宅での介護が困難になってきた場合や特別養護老人ホーム、老人保健施設に入所をされている方も医療依存度が高くなってくると施設での生活をしていくことが難しくなり介護医療院への入所を検討されているかと思います。
また、入院中の方が急性期の治療が終わったものの寝たきりなどで在宅での介護が難しい方に対して医療的な管理下のもと医療・介護の援助を受けることができます。
「介護医療院」ってよく聞くけど、どんな施設なの?
介護医療院とは?
要介護者に対し、「長期療養」と「日常生活上の世話」を一体的に行うことができる機能を担っているのが介護医療院です。
簡単にいうと「医療と介護の援助を複合的に受けられる施設」って感じ?
医学的管理下のもと、医療ケアと日常生活上のケア(入浴・排泄・食事の介助、機能訓練など)を受けられる機能を兼ね備えております。
医療的なケアとは、「胃ろうなどの経管栄養、点滴、痰の吸引、酸素の吸入、終末期ケア(ターミナルケア)」などを指します。
在宅介護や各介護施設での生活が困難になった場合は介護医療院への入所が検討されます。
入所の要件は?
65歳以上であり、要介護1〜5の方が対象です。
40歳以上の方で特定疾病により要介護の認定が下りている方も対象になります。要支援1・2の方は入所することはできません。
基本的には要介護1から介護医療院への入所が可能ですが、実際には要介護4、5と重度者の方が多くを占めています。
介護医療院には「Ⅰ型とⅡ型」がある
入所対象者のお体の状態や病状により、Ⅰ型とⅡ型に分かれます。
Ⅰ型療養病床…重篤な身体疾患、身体合併症を有する認知症高齢者等
Ⅱ型療養病床…Ⅰ型と比較して容態が安定している方
Ⅰ型は、療養病床相当にあたりⅡ型は老人保健施設以上の機能を有しています。
Ⅰ型とⅡ型ともに、個室・多床室(4人以下)・ユニット(10人以下)と形態が分かれておりますが、プライバシーの配慮がなされておりパーティションや家具などで視線を遮るように間仕切りの設置などを行い個人の尊厳が保たれれるように工夫されています。
介護療養型医療施設(療養病床)から「介護医療院」への転換
「社会的入院」の問題が背景にありました。
社会的入院とは、病院での急性期治療が終わったものの、ご本人の状態や家族の介護力を鑑み自宅や施設での生活が困難であると判断されたが、次の受け入れ先(施設)が見つからない状態で入院生活が継続されてしまっている状態を指します。
本来、病院では治療や処置などを行う場所であり、日常生活上のお世話などを含めた療養をするところではありません。
そのため、この社会的入院問題を解決するために開設されたのが「介護療養型医療施設(療養病床)」になります。
療養病床は、「医療型」と「介護型」の2つに分かれておりました。
よりご本人の状態に必要なケアを受けられる場所により医療型か介護型に分かれます。
医療的ケアが必要か?介護的な療養が必要なのか?という部分での判断となりますが、実際はどちらに入所をするべきかの判断基準の線引きが難しい状態となっていました。
そのため、2018年4月より医療が必要な長期療養と介護の日常生活上のお世話を一体的に行うことができる「介護医療院」という施設が誕生しました。
2021年現在、全ての療養病床から介護医療院へ転換できている訳ではありません。2024年3月末を目処に転換が完了する予定です。
費用はどの程度かかるのか?
介護医療院の費用には、施設サービス費、居住費・食費・日常生活費(理美容代など)がかかります。
入居一時金の費用などはかかりませんが、入所後に月額費用が発生します。
また、ご本人様の所得収入により、施設サービス費は1割〜3割の負担となります。介護保険施設であるため4段階の負担限度額認定証の対象となりますので、居住費・食費の減額が行えます。
1ヶ月の総費用は、所得収入や利用するお部屋の種類(個室・多床室など)によって異なりますが、概ね特別養護老人ホームと同額ほどとなります。
設定区分 | 対象者 |
第1段階 | 生活保護者等、世帯全員が市町村民税非課税で、老齢福祉年金受給者 |
第2段階 | 世帯全員が市町村民税非課税で、本人の公的年金収入額+合計所得金額が80万円以下 |
第3段階 | 世帯全員が市町村民税非課税で、本人の公的年金収入額+合計所得金額が80万円超 |
第4段階 | 市区町村民税課税世帯(一般世帯) |
まとめ
介護医療院の特徴と機能をまとめます。
- 医療・介護の援助を一体的に受けることができる。
- 療養上の管理・看護が必要な方が入所できる。
- 病状などによっては、Ⅰ型・Ⅱ型に分かれる。
- 公的な施設のため、負担軽減などの制度を利用できる。
- 入所者の介護度は重度の方が多くを占めている。
- 要介護1〜5の方が対象。要支援の方は入所できない。
- 医療的な側面を持ちつつ、生活施設として個人の空間が保たれている。
介護医療院は、「住まいと生活を医療が支える新たなモデル」という側面やご利用者様の尊厳・自立支援を掲げ、地域に貢献し、地域に開かれた交流施設としての役割があります。
これは、地域包括ケアシステムの一端を担う重要な拠点でもあり、地域に根付き援助を行う必要性があるためです。
特別養護老人ホームや老人保健施設での生活や在宅介護の継続が困難な場合は、「介護医療院」の特徴と機能をチェックしてみてください。
皆さまの参考に少しでもなればと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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